【シンポジウム:21世紀の腎不全看護のパラダイム―統合・調和・自立】
5.医療経済の立場から
入江 康文
1
1三愛記念病院
pp.45-47
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100012
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与えられたテーマが21世紀の腎不全看護のパラダイムということなので,まず21世紀がどのような時代かを簡単に考察してみることにしよう.ある予測によるとわが国の高齢化率(全人口に占める65歳以上の人口の比率)は,現在では約20%であるが2030年にはピークに達し,約40%にもなり,その後急速に減少し2050年には約24%になるという.そのころの全人口は,現在より2千数百万人減少し1億人代になっているという.このように21世紀前半は高齢者が急速に増加し,後半は高齢者の減少に伴って国民人口が減っていくというまったく異なった様相を呈するわけである(図1,2).
今回は21世紀前半に焦点を当てて考察を加えたいと思う.最近よく使われる超高齢化社会という言葉には2つの意味が含まれていると思う.その1つは国民が長寿化するということで,高齢者特有の疾病が増加するということであり,もう1つは高齢者の数が増加するということである.もう1つの大切な問題は,就労人口の減少により社会保険料などの医療費が減少すると考えられることである.
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