第17回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム1
実践力を高める
経験を伝える―現象学からみた経験の複雑さについて
小林 道太郎
1
Michitaro Kobayashi
1
1大阪医科大学看護学部
1Faculty of Nursing, Osaka Medical College
pp.53-55
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
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現象学は20世紀初頭,E.フッサールの創始した哲学の運動としてはじまったが,現在では哲学に留まらず,看護学研究を含めたさまざまな領域に影響を与えている.その重要な特徴は,それが経験の記述であることを目指している,ということだ.現象学は,理論や論証から出発するのではなく,実際の経験の中から記述を行ってゆこうとする.経験を見つめ,捉え直そうとする現象学のやり方は,おそらく,看護の実践や経験を考えようとするときにも,手掛かりとして有意義でありうるだろう.以下,主としてフッサールの思想をもとに,現象学の基本的な考え方を示し,そこから示唆される「伝えること」の重要さについて考えたい.
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