第17回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム1
実践力を高める
患者教育・看護実践における看護師の経験と学び
大池 美也子
1
Oike Miyako
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学専攻
1Department of Health Sciences, Granduate School of Medical Sciences, Kyushu University
pp.56-58
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
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1 経験学習との出会い
患者が語る話のなかに,感動を引き起こす名言や教訓ともいえる内容に触れることがある.そのような話に耳を傾けていると,患者から教えていただいているとともに,学ばせていただいているという気持ちになる.また,患者が語る話を通じて,そうだったんだという新たな患者の理解につながっていくこともある.
看護における患者教育の多くは,看護師が教える内容を示し,患者はそれらを学ぶという考え方に基づいている.患者が自ら気づいたり見出したりしているという視点から,患者教育を捉えることは少ない.筆者は,患者の話に触れるにつれ,看護師が教え患者が学ぶという考え方に違和感を抱くようになった.その違和感は,患者が病気という経験から何かを学んでいるのではないかという問いとなり,患者が自ら学んでいることを説明したいと思うようにもなった.
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