特集 精神看護教育に改めて向き合う
長い臨床経験をもつ教員から伝えられること
小川 隆美
1
1東京都立府中看護専門学校
pp.580-585
発行日 2014年7月25日
Published Date 2014/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102744
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実習指導者だった私が感じていたこと
変わらない朝の風景
インターフォンを鳴らし,扉を開けてもらう。看護師はニコニコと学生を中に招き入れてくれる。不安と緊張のなか,ナースステーションに誘導され,「この辺に座っていてね」と丸いすを出されそこに座る。次々とナースステーションにやってくる職員に遠慮して立ち上がると,「学生さんは座ってて~」と笑顔で言われ,引きつりながら笑顔で返し座る。やがて申し送りが始まると,患者1人ひとりについて,昨日の様子が丁寧に話される。学生は誰の何のことを言っているのかさっぱりわからず,時折,想像すると笑ってしまったり,ぎょっとしてしまう内容も話されている。なぜそんなことをみんなで聞いて確認する必要があるのか,と疑問に思う内容もある。
申し送りの後は,担当の看護師を中心に申し送られた状況をふまえた今日の看護を全体で話し合い,朝から午後の散歩に誰が行くのか役割を決めている。カンファレンスが終わると,学生は別室で,病棟の概要や留意点,病棟案内などのオリエンテーションを受ける。昼食まであと1時間ほどのタイミングで,「じゃ,患者さんと話してみてね」とホールに出される。
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