Japanese
English
【研究報告】
小児糖尿病ファミリーキャンプの意義―両親への質問紙調査の分析より
The Significance of Family Camp for Children with Diabetes and their Families: The Analysis of Questionnaire to Parents
出野 慶子
1
,
中村 伸枝
2
,
徳田 友
3
,
兼松 百合子
4
,
宮本 茂樹
5
Keiko Ideno
1
,
Nobue Nakamura
2
,
Tomo Tokuda
3
,
Yuriko Kanematsu
4
,
Shigeki Miyamoto
5
1東邦大学医学部看護学科
2千葉大学看護学部
3千葉大学医学部付属病院
4岩手県立大学看護学部
5千葉県こども病院
1School of Nursing, Faculty of Medicine, Toho University
2School of Nursing, Chiba University
3Chiba University Hospital
4Faculty of Nursing, Iwate Prefectural University
5Chiba Children's Hospital
キーワード:
小児糖尿病
,
家族
,
ファミリーキャンプ
Keyword:
小児糖尿病
,
家族
,
ファミリーキャンプ
pp.5-14
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
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1型糖尿病の患児とその家族を対象としたファミリーキャンプの意義を明らかにすることを目的に質問紙調査を実施した.対象は2000年8月にキャンプに参加し,調査の同意が得られた24家族(父親15名,母親24名)であり,調査内容は患児の年齢,性別,発症年齢,キャンプの参加回数,参加目的,患児・父親・母親のそれぞれが参加してよかったこと,参加後の変化についてである.その結果,父親は糖尿病に関する情報収集や疑問の解決を参加目的とした者が多く,母親は他の家族との交流を求め,日常生活における対処方法を知ることを目的とした者が多かった.また,2回目以降の参加目的には,他の家族の役に立ちたいという目的が加わっていた.キャンプに参加してよかったこと・参加後の変化は,患児にとっては,友達ができ楽しい体験であったとともに,年長患児のみならず年少患児でも,病気なのは自分だけではないとわかり,療養行動に対する気持ちや行動が変化したことであった.父親にとっては,糖尿病や生活の仕方の情報が得られ,それが療養生活への協力や,患児に対する見方やかかわり方の変化につながっていったことであった.母親にとっては,情報が得られたことのほかに,キャンプは悩みを聞いてもらえたり安心できる場であり,それが母親の気持ちや対処方法に余裕や自信がもてることにつながっていったことであった.ファミリーキャンプは患児,父親,母親それぞれにとって意義があることが確認され,キャンプを支援する方向性が見いだされた.
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