【実践報告】
1型糖尿病の年少児・発症後間もない児と家族を対象としたファミリーキャンプの活動と看護師の役割
中村 伸枝
1
,
兼松 百合子
2
,
出野 慶子
3
,
徳田 友
4
,
内田 雅代
5
,
今野 美紀
6
,
谷 洋江
7
,
宮本 茂樹
8
Nobue Nakamura
1
,
Yuriko Kanematsu
2
,
Keiko Ideno
3
,
Tomo Tokuda
4
,
Masayo Uchida
5
,
Miki Konno
6
,
Hiroe Tani
7
,
Shigeki Miyamoto
8
1千葉大学看護学部
2岩手県立大学看護学部
3東邦大学医学部看護学科
4千葉大学医学部附属病院
5長野県看護大学
6札幌医科大学保健医療学部
7徳島大学医療技術短期大学部
8千葉県こども病院
1School of Nursing, Chiba University
2Iwate Prefectural University
3School of Nursing, Faculty of Medicine, Toho University
4Chiba University Hospital
5Nagano Prefectual College of Nursing
6School of Health Sciences, Sapporo Medical University
7School of Medical Sciences, The University of Tokushima
8Chiba Children's Hospital
pp.141-146
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
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はじめに
乳幼児期発症の1型糖尿病患児の家族は,退院したその日から,まだ治療の意味が理解できない患児にインスリン注射や血糖測定を行い,食べむらのある患児にカロリー計算をして食事療法を行い,低血糖症状を自覚・表現できない患児の低血糖症状を読みとり対処するなど,数多くの責任を負う.患児は年少であるほど感染の機会も多く体調を崩しやすいため,糖尿病のコントロールにも影響を与える.また,患児の年齢とともに疾患の理解やインスリン自己注射,自己血糖測定の自立が必要となる.多くの家族はお互いに協力しながら育児と疾患管理を行っているが,周囲に同様の小児糖尿病の子どもがほとんどいないため,具体的な情報を得ることは難しい.
千葉県では,1989年と1990年に1型糖尿病の幼児とその家族を対象とした「小さな年齢の糖尿病の子どもたちの集い」が,休日の半日(10 : 00~15 : 00)を利用して開催された.この集いには,約10人の糖尿病幼児とその家族,看護師6~8名と医師3~4名が参加し,親からの疑問に答えたりレクリエーションを行った.2年間の活動のなかから,「もっとゆっくり話し合いたい」という家族の希望が生じ,1991年より“小児糖尿病親の会”の主催による,幼児期や発症後間もない1型糖尿病患児とその家族が参加できる2泊3日のファミリーキャンプが開始されている.キャンプ地は,1991年当初より,房総半島南部の富浦町にある千葉県立大房岬少年自然の家で行われている.看護師は医師,薬剤師,栄養士とともにファミリーキャンプを支援してきた.2001年で11回目を数えたファミリーキャンプの活動内容と,看護師の役割について報告する.
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