【実践報告】
内科外来における糖尿病療養指導の実際―外来・病棟間の継続看護を目指して
竹内 葉子
1
,
林 美津子
1
Youko Takeuchi
1
,
Mitsuko Hayashi
1
1箕面市立病院
1Minoh City Hospital
pp.147-151
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
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はじめに
糖尿病患者は年々増加傾向にある.当院内科外来では糖尿病患者への教育はインスリン注射の技術指導を主に行ってきた.しかし,教育入院を受けているが入退院を繰り返す患者も多く,退院後も継続して自己管理に向けた支援が必要ではないかと考えた.
そのため平成9年度に,患者は看護師にどのような指導を望んでいるのかを知るため,当院内科外来通院中の糖尿病患者133名に質問形式で自己記述のアンケート調査を行った.その結果,「糖尿病に関して知りたいと思うこと」の質問には,約半数の者が自分の病気の程度や合併症であると答えた.「糖尿病になって困っていること」は,好きなものが食べられないと答え,「外来看護師による生活指導を希望するか」については,約半数の者が希望すると答えた.しかし,「同じ内容だから要らない」という意見もあった.これらの調査結果から,画一的な集団指導より,患者の生活背景や心理に視点をおいた個別的な生活指導のほうが有効ではないかと判断した.
そこで外来で個別の糖尿病療養指導を行うために,指導のシステムを検討し,平成11年4月より糖尿病療養指導を開始した.その結果,病棟から外来への継続看護がよりスムーズに行えるようになった.
本稿では,①当院内科外来における糖尿病患者専用の記録物について,②病棟と栄養部間の連携,③糖尿病指導の実際,④平成11年度の糖尿病患者の指導状況と今後の課題について述べる.
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