Japanese
English
【研究報告】
自傷行為を呈する思春期の1型糖尿病事例への看護援助
Nursing Interventions to the Case of Type 1 Diabetes Adolescent Attempted Self-Inflicted Injury
今野 美紀
1
,
中村 伸枝
2
,
兼松 百合子
3
Miki Konno
1
,
Nobue Nakamura
2
,
Yuriko Kanematsu
3
1札幌医科大学保健医療学部看護学科
2千葉大学看護学部
3岩手県立大学看護学部
1Sapporo Medical University, School of Health Sciences, Department of Nursing
2Chiba University, School of Nursing
3Iwate Prefectural University, School of Nursing
キーワード:
思春期
,
1型糖尿病
,
インスリン注射
,
自傷行為
,
看護援助
Keyword:
思春期
,
1型糖尿病
,
インスリン注射
,
自傷行為
,
看護援助
pp.130-138
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
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今回,故意にインスリン注射を過剰に打つ自傷行為を繰り返した思春期の1型糖尿病患者に看護婦として2年間,かかわる機会を得た.この患児の療養行動,母子関係,友人関係に焦点を当て,実施した看護援助の効果を検討した.患児が自傷行為を行った背景には,学校に行きたくない気持ち,療養行動を実施することへの反発,自我の目覚めによる親の注意に対する反発,認知的成熟度の低さなどがあり,これらの要因の積み重なりから自傷行為が行動化したと考えられた.看護婦は患児に関心を注ぎ,患児自身が療養行動に興味を示すようになるまで待って学習援助を行い,同じ病気の子供たちとの交流のきっかけ作りを支援した.これらの看護援助は,患児に親から離れる機会と安心して自己表現できる機会を提供するとともに,患児が同じ病気の子供たちの療養行動に携わる様子から学び,療養行動への関心を向ける事に貢献したと考えられた.
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