Japanese
English
【調査報告】
日常生活において小児糖尿病患者の親が体験する困難なことについて―外来において親が看護婦に表現したことの分析
Difficulties Experienced by Parents of Diabetic Children in Daily Life: Analyzing Expression by Parents to Nurses in Outpatient Clinic
今野 美紀
1
,
兼松 百合子
2
,
中村 伸枝
2
,
二宮 啓子
1
,
内田 雅代
3
,
谷 洋江
4
Miki Konno
1
,
Yuriko Kanematsu
2
,
Nobue Nakamura
2
,
Keiko Ninomiya
1
,
Masayo Uchida
3
,
Hiroe Tani
4
1千葉大学大学院博士後期課程
2千葉大学看護学部
3長野県看護大学
4徳島大学医療技術短期大学部
1Doctoral Student, School of Nursing, Chiba University
2Department of Parent and Child Nursing, School of Nursing, Chiba University
3Nagano College of Nursing
4School of Medical Sciences, The University of Tokushima
キーワード:
小児糖尿病患者
,
親
,
日常生活
,
困難
Keyword:
小児糖尿病患者
,
親
,
日常生活
,
困難
pp.4-11
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
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本研究の目的は,小児糖尿病患者の親が日常生活において体験する困難なことを明らかにし,看護援助の方法を検討することである.調査方法は,筆者らの過去7年間にわたる患者別の看護援助の記録を振り返り,インスリン療法施行中の患児の親が,日常生活において体験する困難な状況を表出している記述を抽出し,分類を行った.その結果,185場面が抽出され,〈分類1〉療養行動に関すること121場面,〈分類2〉学校・病院・近隣との関係32場面,〈分類3〉将来に関する不安20場面,〈分類4〉親自身の生活・家族の協力12場面の4つに大別された.親が表現した困難な体験より,今後の親に対する看護援助の方法として,発病後早期から支持的に患児・親にかかわること,療養行動の具体的方法を一緒に考えていくこと,そして他の家族と交流できる機会の設定とその展開を見守り援助する必要があると考えられた.特に思春期の患児をもつ親への援助,学校生活で生じる諸問題への適応についての援助方法のさらなる検討が早急な課題であると考えられた.
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