【シンポジウム】
糖尿病教育の質的向上のために今必要な活動―教育担当者ネットワーク,研究の蓄積・実践の改善
河口 てる子
1
Teruko Kawaguchi
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.43-46
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
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はじめに
糖尿病教育は,少数の理解ある医師とその医師に触発された看護婦や栄養士などが,こつこつと地道な努力を重ねてきて今日に至っている.そのなかで人口の急激な高齢化と生活の洋風化に伴い,糖尿病患者が増加し,同時に糖尿病コントロールの不足による合併症から失明や透析に至る患者も増加しつつある.これらの防止には,治療の進歩とともに糖尿病教育の充実を図る以外になく,今ようやく糖尿病教育に強い関心が向けられてきている.
このような状況のなか,糖尿病教育に携わる看護婦や栄養士にも,受け身的に指示された教育を行うことから,糖尿病患者教育の専門家として脱皮したいという意識の変化がみられるようになってきている.そこで各地の組織的・非組織的な活動と全国的なレベルで進展する動きを概観してみる.
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