第3回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●会長講演
糖尿病教育方法の探求―実践と理論の相互交流からアプローチの向上を目指して
河口 てる子
1
Teruko Kawaguchi
1
1日本赤十字看護大学
1The Japanese Red Cross College of Nursing
pp.36-40
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
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【20年前の慢性疾患教育】
今から20年ほど前,糖尿病患者をはじめとして多くの慢性疾患は増加しつつあり,その当時から患者は,疾患のコントロールのために日常生活の自己管理が必要とされていた.しかし,多くの病院では,「食べるものを減らせ」とか「塩気を減らせ」などの簡単な指示を伝えるだけであった.疾患コントロールの自己管理のために,患者に専門の教育を用意している病院,診療所は皆無といってよいほどであった.患者は,ほとんど放置状態のなかで,本を買って自分で勉強する者,自己流の養生法をやる者,また多くの何もしない者などがいたが,それらの患者は疾患コントロールの悪さから合併症を引き起こしていた.
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