【実践報告】
済生会向島病院における糖尿病教育入院患者援助の具体的展開
金木 恵子
1
,
森 小律恵
1
,
嶋森 好子
1
Keiko Kaneki
1
,
Kozue Mori
1
,
Yoshiko Shimamori
1
1東京都済生会向島病院看護部
1Tokyo Saiseikai Mukojima Hospital
pp.47-60
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
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はじめに
糖尿病教育入院患者へ看護婦がかかわることの重要性は,いまさら述べるまでもない.しかし,どのようにかかわることが患者の援助につながるかについて,確かなものが十分示されてもいない.特に日本に特有の(アメリカでは教育のための入院はほとんどないと聞いている)「教育入院」という形の入院患者への援助については,医師の教育の十分伝わらない部分を補ったり,患者が理解できなかった講義を理解できるように解説すること,また,患者の入院生活のなかで,上手に血糖測定ができたり,インスリンの注射方法が身につくように手技を教えたり,足の管理がうまくできるように観察の方法や注意すべきことを指導するという具体的な方法論の指導が主であるように思う.
しかし,これまでのような,患者に具体的に何かを教えることが教育担当看護婦の援助の目的と考えてよいのだろうか.
当院で,糖尿病教育担当看護婦を専任にしたのは,平成3(1991)年のことで,わずか5年前にすぎない.しかし,その間,糖尿病教育入院患者への教育専門看護婦の役割は何かということを考えながらさまざまな試みをしてきた.その経過を紹介しながら,当院における糖尿病教育入院患者へのかかわり方の実際を理解していただきたいと思う.
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