増刊号特集 臨床実践を研究につなげる
1 「ケアの意味を見つめる事例研究」に臨床の現場で取り組む
「ケアの意味を見つめる事例研究」を臨床看護研究の中で行なうことの意義①
院内の共同研究者・教育担当者の立場から
長尾 祥子
1
1国家公務員共済組合連合会九段坂病院看護部
pp.244-247
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201638
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はじめに
「来年は事例研究をやってみませんか?」と,深堀浩樹先生(慶応義塾大学看護医療学部教授)に提案されたのは,私が九段坂病院(以下,当院)の教育担当に着任して2年目の時期でした。その年の看護研究に取り組んだ看護師に,「本当に大変だった。研究は二度とやりたくない」と言われ,自分自身の力量不足に落ち込むと同時に,臨床看護師が行なう研究の意義とは何かについて悩んでいた頃でした。そんなときに掛けられた深堀先生からの言葉に,悩みの解決の糸口になるのではないかという期待と,なにかワクワクするような感覚を抱いたことを覚えています。実際に,臨床看護師と教員とともに事例研究に取り組んだ1年はとても充実したもので,改めて看護の価値を感じられた有意義な時間であり,臨床看護師が行なう研究の意義を確かに感じられるものでした。
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