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近年、安心・安全で質の高い医療を求める患者・家族の声が高まる一方で、医療の複雑化に伴う業務の増大により医療現場の疲弊が指摘されるなど、医療のあり方が根本的に問われています。私たちを取り巻く疾病構造は大きく変わってきており、かつてのように感染症中心ではなく、慢性疾患の比重が圧倒的に大きくなってきています。さらに、社会の高齢化とともに老人退行性疾患といわれるものが増えており、また精神疾患の増加も目立つようになってきました。これらの疾患は、治癒することが困難であり、患者は生涯その疾患とともに人生を送らなければならず、地域ケアや福祉といった保健課題が重要となってきます。
こうした状況のもと、WHOは2003年に、ヘルスディベロップメント指針の基本戦略として、健康関連事項に対する医学の独占の終結と、医学への文化的・社会的依存の終結を示しました1。保健医療専門職の国際組織である国際看護師協会、国際歯科連盟、国際薬剤師連盟、世界医師会、世界理学療法連盟は、1999年に合同でWorld Health Professions Allianceを組織し、「よりよい健康のためのチーム力の向上(Teaming up for better health)」のテーマを掲げ、チーム医療の重要性を強調しています。国内においては、厚生労働省により「チーム医療の推進に関する検討会」の報告書が2010年3月に取りまとめられ、チーム医療を推進していく方針が出されました。この報告書の中では、チーム医療を担う役割をもった看護師として「医師の包括的指示の下で規定の医療行為を行うことができる特定看護師(仮称)」が提示され、現在は、「看護師特定行為・業務試行事業対象看護師」として進めていくことが決定されています。
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