今月の主題 脂質異常症―動脈硬化症を予防するためのStrategy
動脈硬化症と脂質異常症の理解のために
【動脈硬化症発症に及ぼす各危険因子の影響】
糖尿病が果たす役割
藤原 和哉
1
,
曽根 博仁
1
1筑波大学大学院疾患制御医学専攻水戸地域医療教育センター内分泌代謝・糖尿病内科
pp.734-738
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105153
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ポイント
★糖尿病患者では初期から大血管症が認められ,非糖尿病患者と比較して心血管疾患発症が2~4倍高く,重症度も高い.
★糖尿病患者では,高TG血症,低HDL血症といった動脈硬化を促進する危険因子が重複しやすい.
★糖尿病患者では,small dense LDL,酸化LDL,糖化LDLなど動脈硬化を惹起する物質の増加を含む脂質代謝の質的異常を有する.
★食後高血糖,負荷後高血糖は冠動脈疾患の危険因子であり,耐糖能障害の段階から心血管疾患の危険因子となる.
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