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要旨 背景:脳卒中患者の帰結を評価するため,拡散テンソル法MRIによる皮質脊髄路のfractional anisotropy(FA)が用いられている.また,年齢や脳卒中病型も帰結に影響する可能性がある.本研究では,年齢,脳卒中病型(脳出血/脳梗塞),病巣半球および非病巣半球の大脳脚FAと帰結の関連を検討した.
方法:脳卒中患者80例(脳出血40例,脳梗塞40例)を対象とした.これらの患者で発症後14〜21日目に拡散テンソル法FA脳画像を取得した.病巣半球と非病巣半球の大脳脚FA値を抽出し,その比(rFA)を算出した.回復期リハビリテーション病院退院時のBrunnstrom Recovery Stage(BRS),Functional Independence Measure運動項目合計(FIM-motor),総入院日数を帰結の指標とした.ステップワイズ増加法による変数選択を行う重回帰分析を用いて,rFA,非病巣側FA,年齢,脳卒中病型と,帰結指標の関連をモデル化した.
結果:BRS肩/肘/前腕とBRS手/指のモデルはrFAと非病巣側FAの2因子により構成された.BRS下肢のモデルにはこれらに脳卒中病型が加わり,脳出血が重症と関連した.FIM-motorおよび総入院日数のモデルはrFA,非病巣側FAと年齢の3因子により構成された.すべての帰結指標に対するrFAの影響は,非病巣半球FAよりも強かった.FIM-motorについて年齢の影響はrFAとほぼ同等に強かった.
結論:rFAで示される皮質脊髄路の神経損傷がさまざまな帰結指標に最も強く影響していた.その一方,FIM-motorにより評価される日常生活動作の低下は年齢を含む,より広範な要素と関連していた.
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