一頁講座 リハビリテーション関連用語
帰結と予後
千田 富義
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
キーワード:
疾病帰結
,
機能的帰結
,
予後
Keyword:
疾病帰結
,
機能的帰結
,
予後
pp.89
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100014
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帰結
帰結(outcome)は,先行する,あるいは併存する予知因子(predictor)によって影響された結果である.予知因子は治療的介入だけでなく,自然にある現象も含まれる.たとえば,高齢者のリハビリテーション効果を検討する場合,予知因子は高齢者かどうかである.また,予知因子は帰結に先行するとも限らない.横断的研究で,半側空間無視とADL(activities of daily living)レベルの関係をみるとき,半側空間失認が予知因子で,ADLレベルが帰結となる.両者に時間的なずれはない.しかし,リハビリテーション医療で帰結を問題にするときは,先行する治療的介入(予知因子)で生じた疾病状態,機能的状態の変化(帰結)に注目することが多い.
帰結は主観的帰結(subjective outcome)と客観的帰結(objective outcome)に分けられる.患者の疼痛,満足度などが主観的帰結に属する.臨床的には非常に重要な変数であるが,測定方法,妥当性などの問題,帰結に個人差がある問題が指摘されている.evidence-based medicineの強調により客観的帰結が重視されてきている.
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