Japanese
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教育講座
急性期のリハビリテーション医学・医療
Acute Rehabilitation Medicine
西村 行秀
1
,
近藤 貴人
2
,
坪井 宏幸
2
Yukihide Nishimura
1
,
Takahito Kondou
2
,
Hiroyuki Tsuboi
2
1岩手医科大学リハビリテーション医学科
2岩手医科大学附属病院リハビリテーション部
キーワード:
急性期リハビリテーション治療
,
早期離床
,
早期運動療法
,
機能改善
,
PROr
,
プロリハ
Keyword:
急性期リハビリテーション治療
,
早期離床
,
早期運動療法
,
機能改善
,
PROr
,
プロリハ
pp.722-726
発行日 2019年9月18日
Published Date 2019/9/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
わが国の医療において,臓器別診療科の治療はそれぞれが世界的にも最高水準であり,近年ではさらなる医学の発展により,多くの患者の命が救われ,予後は改善してきた.一方で,救命が達成されると患者やその家族は次に「元気になってもとの生活に戻れるか」という問題や不安を抱えることになる.病気や怪我で生じた身体機能の低下や障害は患者だけでなく,その家族の生活の質(QOL)にも大きく影響することから,超高齢化社会を迎えるわが国の重要な課題の1つである.
リハビリテーション医療は,怪我や疾患によって生じた機能低下や障害に対して機能を回復し,障害を克服し,活動を育むための医療である1).リハビリテーション治療には理学療法,作業療法,言語聴覚療法,摂食嚥下療法,義肢装具療法などがあり,それらの基本は運動療法である.一般的に治療の原則は,早期発見・早期加療であり,その効果は強度と量に依存し,必ず副作用や危険性がある.リハビリテーション治療も治療なので,当然この原則が当てはまる.したがって,患者をよくするためにはリハビリテーション治療を早期から高負荷・長時間行うことが重要であり,それには当然,副作用や危険性が起こり得る.近年では急性期リハビリテーション治療に関する知見も数多く報告されるようになり,その有効性が広く認識されるようになってきたが,いまだ急性期リハビリテーション医療の実践が十分に浸透していないのが現状である.そこで本稿では,急性期のリハビリテーション治療の中でも特に運動療法の有効性について症例を踏まえて解説したいと思う.
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