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運動単位(motor unit)
運動単位(motor unit:MU)は,運動を司る最小単位であり,脊髄前角細胞(α motor neuron:αMN),末梢神経,筋肉からなる.運動機能の改善においては最終的にはこの運動単位の活動を変化させていることになる.運動単位の活動を変えるにはどうすればよいかというと,脊髄前角細胞の発火様式を変える必要がある.われわれがリハビリテーション治療によって運動の改善を図るということは,すなわち,このMUの制御を変化させていることになる.MUの制御の方法としてHennemanのsize principleが知られている1).弱収縮では小さいMU,すなわち1つの前角細胞が支配する筋線維の数が少ないMUから発火している.この小さいMUが支配する筋線維はType Ⅰ線維からなり,個々の筋線維の収縮力は小さいが,持久力に富むという特徴がある.次第に筋収縮を強めると発火するMUの数が増え,動員される(recuitment)MUが増え,大きなMUが発火するようになる.大きなMUとは1つの前角細胞が支配する筋線維の数が多く,支配する筋線維はType Ⅱ線維からなる.筋収縮を強めるとrecruitmentだけでなく,発火しているMUの発火頻度(firing rate)が増加し,筋収縮力を高める.また,すべての前角細胞が動員された後にも同期してMUが発火すること(synchronization)により,さらに筋収縮力を強めることが可能である.すなわち,われわれの運動に際して,その筋力はMUのrecruitment,firing rate,synchronizationにより調整がされているのである(図1).
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