Japanese
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教育講座
巧緻運動障害評価の考え方
Principles to Evaluate Manual Dexterity
藤澤 祐基
1
,
岡島 康友
2
Yuhki Fujisawa
1
,
Yasutomo Okajima
2
1杏林大学保健学部理学療法学科
2杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
巧緻運動
,
評価
,
脳卒中片麻痺
,
小脳性運動失調症
Keyword:
巧緻運動
,
評価
,
脳卒中片麻痺
,
小脳性運動失調症
pp.219-225
発行日 2017年3月18日
Published Date 2017/3/18
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はじめに
手は外界とのインターフェイスといえるが1),特に手指が行う細かく速い運動,すなわち「巧緻運動」は重要である.作業療法において,巧緻運動の障害はそれ自体がリハビリテーションの対象となる.従来,脳卒中片麻痺上肢のリハビリテーションでは,健側(非麻痺側)上肢だけでほとんどの日常生活活動(activities of daily living)はできるようになるので,使いにくい麻痺手は「廃用手」として,表舞台には登場してこなかった.しかし,脳の可塑性に裏打ちされて登場したCI療法(constraint induced movement therapy)が米国の多施設研究により効果が証明され,麻痺手の復権に焦点が当てられるようになって,状況は変わってきている.その延長線で課題志向型アプローチの重要性が唱えられ,その効果判定も盛んに行われるようになった.しかし,効果判定の評価に何を用いるかについては議論されていなかったように感じる.多くは疾患を限定して開発された検査バッテリーか,もしくは疾患にかかわらず巧緻動作障害を点数化するもののいずれかであるが,必ずしも機能障害そのものの病態を評価し定量化するものではない点に注目したい.本稿では,この視点から巧緻運動障害の評価の考え方を概説する.
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