Japanese
English
講座 運動系の身体機能評価と理論
5.上肢巧緻性
Skill of the Hand.
上土橋 浩
1
,
田中 信行
1
Hiroshi Kamitsuchihashi
1
,
Nobuyuki Tanaka
1
1鹿児島大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
手指巧緻性
,
脳の可塑性
,
フィードバック機構
,
機能的モジュール
Keyword:
手指巧緻性
,
脳の可塑性
,
フィードバック機構
,
機能的モジュール
pp.549-555
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109250
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はじめに
人類の祖先がはじめて立ち上がり,前足が自由となりそれを手として使い,石や木を用いて道具を作るようになったことで,ヒトの脳は著しく発達したと言われている.手は体のなかのどの部分よりもきわめて複雑な動きをし,そのために脳のなかで手の占める領域は最も広く,大脳生理学では「手は外部の脳である」と言われる.すなわち,ヒトの手は5本の指,あるいは左右共同して,にぎる,つまむ,投げる,書くといった自在の動きが可能であり,こうした手指の細やかな動作のプログラムや調節機構が,全て脳のなかに用意されているのである1).
上肢の巧緻性を理解し,リハビリテーションに役立てるためには,ヒトの手の構造と共に,その精密な調節を行う脳の理解が重要である.
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