Japanese
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増大特集 知っておきたいリハビリテーション・テクニック
機能障害へのアプローチ
巧緻性向上―運動療法を中心に
Physical Exercise for Incoordination.
眞野 行生
1,2
,
大西 竜哉
2
Yukio Mano
1,2
,
Tatsuya Ohnishi
2
1奈良県立医科大学神経内科
2奈良県立医科大学中央リハビリテーション部
1Department of Neurology, Nara Medical University
2Central Rehabilitation Service, Nara Medical Univrsity
キーワード:
巧緻性
,
運動療法
,
PNF
,
弾力帯
,
重り負荷
Keyword:
巧緻性
,
運動療法
,
PNF
,
弾力帯
,
重り負荷
pp.950-954
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107188
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巧緻動作障害とは
巧緻性という言語はリハビリテーション領域では広い意味に使われることがある,英語では巧緻性はskilledであり,巧緻動作はskilled movementである.しかし巧緻性はcoordinated,巧緻動作はcoordinated movementとして使われることがある.元来はskill―熟練,巧妙さ,巧緻性,coordination―協調,釣合.調整である.
このように巧緻性には2種類の意味に使われている.“skilled”の意味に使われる時には,より一般的な使用である,また正常者の技術が上達する場合や,上達する手段や巧妙な動作などを指すことが多い.一方“coordinated”の意味に使われる場合には,協調運動,協調運動障害,運動失調症状などの場合に使用される.神経学の領域では“巧緻性”を論文に用いることは必ずしも多くない.基礎の神経生理学やリハビリテーション領域では“巧緻性”は比較的多く使われている.臨床所見で“巧緻性”を用いる場台は,“coordinated”に近い意味で用いられ,患者の病歴や社会活動などを記載する場台には“skilled”に近い意味で用いられている場合が多い.本論文では巧緻動作障害は協調運動障害に近い意味で述べることとする.
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