第4回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/諏訪 《シンポジウム》臨床に生かす動作解析―座長/蜂須賀研二・山本 澄子
片麻痺の歩行分析
大橋 正洋
1
,
別府 政敏
2
1神奈川リハビリテーション病院医学科
2神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション工学科
pp.597-603
発行日 2010年9月18日
Published Date 2010/9/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
リハビリテーション(以下,リハ)科医は,疾病を治癒させることではなく,疾病の結果残った障害に対して,より良く対処する方法を考え,それを患者が身に付けるように支援を行う.歩行障害は,患者のquality of life(QOL)を損なう重要な問題であり,リハ科医にとっても取り組むべき重要なテーマである.機器を用いた動作解析は,歩行動作をさまざまな方法で定量的に記録する.機器の進歩は,人間の感覚では捉えられない事象を記録し,計算し,人間が理解できる形で表現したり,時間を超えて記録を再現したり,他の多くの事例と比較することを可能にした.
脳卒中による片麻痺は,リハ科医が接する頻度が高く,歩行障害を起こしやすい対象である.したがって病態の把握や治療効果の判定,治療方針の決定に,リハ科医が歩行分析を利用したいと考えるのは当然である.
本稿では,片麻痺歩行の特性を解説し,文献検索によって得た関連論文と,我々が行っている歩行分析の工夫について紹介する.考察では,臨床に歩行分析を利用する場合の問題点について触れる.
Copyright © 2010, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.