第4回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/諏訪 《シンポジウム》臨床に生かす動作解析―座長/蜂須賀研二・山本 澄子
脊髄損傷の動作解析
松永 俊樹
1
,
佐藤 峰善
1
,
千田 聡明
1
,
畠山 和利
1
,
島田 洋一
2
1秋田大学医学部附属病院リハビリテーション科
2秋田大学大学院医学系研究科機能展開医学系整形外科学講座
pp.603-607
発行日 2010年9月18日
Published Date 2010/9/18
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はじめに
脊髄損傷による四肢麻痺・対麻痺では,損傷高位や麻痺の程度により,機能的・能力的・社会的ゴールは様々である.脊髄損傷による麻痺が重度の場合,四肢麻痺の手指把持機能や対麻痺の起立歩行機能が再獲得可能か否かに関しては,脊損者の日常生活動作(ADL)・生活の質(QOL)における重要な要素となる.
近年,様々なリハビリテーション(以下,リハ)分野における医療技術のめざましい進歩がみられ,従来達成不能であった重度の四肢麻痺上肢や対麻痺下肢に対する実用的な運動機能再建が可能になりつつある1,2).
脊髄損傷において運動機能の再獲得を図る場合,運動障害の評価,再建動作の実現妥当性,再建後の評価などに動作解析は有用である.動作解析には,フットスイッチや加速度計などの各種センサー,床反力計,筋電計,3次元動作計測システムなどが利用される.
本稿では,脊髄損傷の動作解析として,対麻痺を対象にした内側股継手付長下肢装具による立位ならびに機能的電気刺激による歩行再建における解析例を紹介する.
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