第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《教育講演》
運動単位疾患(motor unit disease)のリハビリテーション
花山 耕三
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1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
pp.628-632
発行日 2009年10月18日
Published Date 2009/10/18
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はじめに
いわゆる神経筋疾患は,錐体路の障害,錐体外路の障害,小脳・脊髄後索系の障害に大別される.運動単位疾患(motor unit disease)とは,リハビリテーション(以下,リハ)医学の古典的教科書であるKrusen's Handbook of Physical Medicine and RehabilitationのchapterのひとつであるRehabilitation Management of Diseases of the Motor Unitの中に使われている用語であり,運動単位に含まれる運動ニューロン,末梢神経,神経筋接合部,筋線維の疾患を指す1).運動単位疾患の中心となる症候は麻痺ないし筋力低下であり,さまざまな部位での筋力低下をどのように扱うかがそのリハの主眼となる.その際に重要なことは予後を含めたより正確な診断である.Krusenの教科書では,その予後よりprogressive,transient,static,recurrentの4つのカテゴリーに疾患を分けている(表).
運動単位疾患のリハは,日常生活動作(ADL)さらには社会活動の維持・改善を目的として行われる.主な症候である筋力低下へのアプローチは,1)筋力自体を改善ないし維持するにはどうするか,2)低下した筋力でもより効率的に動くにはどうするか,3)活動を行うに十分な筋力がない場合にはどうするか,の3点からなる.
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