特集 Stroke Unitと理学療法
わが国のStroke Unitにおける理学療法
4.脳卒中リハビリテーションとStroke Unit
鵜飼 正二
1
,
大塚 功
1
,
熊﨑 博司
1
,
百瀬 公人
2
Ugai Shouji
1
1特定・特別医療法人慈泉会相澤病院総合リハビリテーションセンター・脳卒中理学療法部門 SCU
2信州大学医学部保健学科
pp.497-503
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101195
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はじめに
脳卒中の診療体制において,脳卒中専門病棟(stroke unit:以下,SU)で専門的知識と治療経験を有した学際的チームが治療とリハビリテーション(以下,リハ)を並行して提供することが注目され,1990年以降,ヨーロッパを中心にSUの有効性を示す報告が多く発表されている(表1)1~9).また,SUの効果を分析した論文によると,教育されたスタッフの配置,チームワーク,家族の介入などが重要な因子として挙げられているが,エビデンスとして見解が一致しているのは,より早期からのリハの介入をシステムとして実践していることである.
またわが国では,SUとは別に脳卒中急性期の治療とリスク管理下でのリハを提供する脳卒中ケアユニット(stroke care unit:以下SCU)がある.当院では,発症当日からSCUでの急性期リハを開始し,その後SUにおいてクリニカルパスに基づいて,1日9単位のリハを提供し,当院から直接自宅退院に導くことを目標とする「地域完結型医療」に取り組んでいる.
本稿では,当院における脳卒中患者の救急入院から在宅復帰に至るまでのシステムを紹介し,その活動の実際や今後の課題について述べる.
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