Japanese
English
特集 前頭側頭型痴呆
3.痴呆を伴うMotor Neuron Disease
Motor Neuron Disease with Dementia
三山 吉夫
1
Yoshio Mitsuyama
1
1宮崎医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Miyazaki Medical College
キーワード:
dementia
,
motor neuron disease(MND)
,
frontotemporal dementia(FFD)
,
ubiquitin
Keyword:
dementia
,
motor neuron disease(MND)
,
frontotemporal dementia(FFD)
,
ubiquitin
pp.119-126
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901555
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
1980年頃までは,前頭葉に主病変があって痴呆を起こす疾患は,はるかに少ない脳梗塞を除けば,大半がピック病と診断されていた。痴呆を伴うmotor neu-ron disease(MND)は,前頭-側頭葉障害による精神症状や画像の特徴的所見から痴呆の特殊型として,湯浅(1964)18),Mitsuyama(1979)8)によって報告され,症例の集積とともに一つの疾患単位として確立されてきた9)。近年,非アルツハイマー型変性痴呆(表1)として位置づけられる痴呆性疾患で前頭-側頭葉に特徴的な病変がみられる症例群を,前頭-側頭型痴呆(臨床的には前頭葉型,ピック病型,MND型に分けられ,神経病理学的には前頭葉型,視床-線条体型,MND型,非定型型に分けられる)としてまとめる傾向にある1,2,3,4)。痴呆を伴うMNDも前頭-側頭型痴呆のsub-typeとされているが,その妥当性については議論の余地がある。痴呆を伴うMNDは,もともとMNDが初期から痴呆を伴うことはないことや,アルツハイマー病やピック病が初期からMNDを伴うこともないことから,痴呆を伴うMNDの症例を従来記載されていた痴呆性疾患やMNDとは異なる非特異的な臨床-病理所見を有する疾患単位として提唱したことによる8,9)。疾患単位としての原因,病態,治療については,未だ解明されておらず,今後の研究課題とされる。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.