第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《パネルディスカッション》廃用症候群のリハビリテーションの実学―座長/江藤 文夫・山口 淳
嚥下障害に対する対応-よい誤嚥と悪い誤嚥-
寺本 信嗣
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1国立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
pp.413-416
発行日 2008年7月18日
Published Date 2008/7/18
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はじめに
抗菌薬の発達にもかかわらず,肺炎は全死亡原因の第4位,高齢者に限ってみると第1位である.人類がかつて経験したことのない高度高齢化社会を迎えて,高齢者肺炎の予防と治療は最も重要な課題の一つである.特に,虚弱高齢者において肺炎は病態を急変させ,予後に大きく影響する重要な感染症である.近年,この高齢者肺炎の病態は,不顕性誤嚥による肺炎であることを示すエビデンスが集積しており,リハビリテーション(以下,リハ)医療における嚥下障害の重要性が増している1,2).しかし,そこには,大きな誤解も生じているので,本稿では,誤嚥の何が問題なのかを検証し,これまでの摂食嚥下を目的とする嚥下機能評価の限界について言及する.
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