第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《パネルディスカッション》中心性頸髄損傷リハビリテーションの実学―座長/古澤 一成・仙石 淳
中心性頸髄損傷-急性期臨床像の特徴と治療転帰との関連-
富永 俊克
1
,
黒川 陽子
1
,
住田 幹男
2
,
德弘 昭博
3
,
古澤 一成
3
,
元田 英一
4
1山口労災病院リハビリテーション科
2関西労災病院リハビリテーション科
3吉備高原医療リハビリテーションセンターリハビリテーション科
4労災リハビリテーション工学センター
pp.218-222
発行日 2008年4月18日
Published Date 2008/4/18
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はじめに
中心性頸髄損傷はSchneiderによって提唱されて1)から約50年が経過する.その臨床的定義は,“損傷レベル以下の上肢機能が下肢機能に比べて不釣合いに優位に障害されていること”である.頸椎過伸展損傷が主な受傷機転であり,中高齢者,非骨傷性,頸椎骨棘,前額部または顔面の挫傷なども臨床像の特徴であり,麻痺の回復パターンはまず初めに下肢機能が,次いで膀胱,上肢と続き,手指の機能が最後に遅れて改善する.神経学的な機能の改善は比較的良好であり,手術的治療は禁忌とされた.しかしながら,その後の研究で中心性頸髄損傷の臨床像は一様ではなく,多くの原因病態2~4)が混在し,その診断5~7)と治療法8~12)にコンセンサスは得られているとはいえない13).本邦でも中心性頸髄損傷についてはまとまった臨床経過についての報告14)は少ない.そこで今回は全国労災脊髄損傷データベースを利用して初診時の段階での上下肢の筋出力パターンから頸髄損傷患者の麻痺型について3分類を行い,発生収容状況と治療状況について比較検討を行った.
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