シンポジウム 成長期ごとの小児・保護者への支援
座長記:量から質へ―障害児・者と言語聴覚士のコミュニケーションを考える
内山 千鶴子
1
Chizuko Uchiyama
1
1目白大学保健医療学部言語聴覚学科
pp.15-16
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
2003年に日本言語聴覚士協会が行った調査によると,小児言語障害領域で働く言語聴覚士(以下ST)は1,648人で,会員全体の約30%にあたる.本シンポジウム会場の石川県立音楽堂・邦楽ホールは定員700人であるが,かなりの「入り」であった.この集まりをみるだけでも会員の関心の高さを察することができた.その理由は,近年,障害児・者を取り巻く社会環境が法制度や理念を含めて大きく変化し,STが職務内容の拡大に戸惑いを感じているためと考えられた.
教育領域では,2007年から特別支援教育が導入され,医療領域では,リハビリテーション医療に関する医療保険診療報酬が大幅に改定され,福祉領域では,2005年に発達障害者支援法,2006年に障害者自立支援法が施行された.これら施策の基本理念は地域での自立を支援することである.他の障害者に関する施策も障害者が地域で自立して生活することを支援する方向が明示されている.この動向の中で,本シンポジウムは小児言語障害領域におけるSTの役割について考える時宜を得た企画であった.
Copyright © 2007, Japanese Association of Speech-Language-Hearing Therapists. All rights reserved.