連載 地域生活を支える!? スポーツ内科の基本知識・第6回
「疲れが抜けない…」オーバートレーニング症候群かも!?
田中 祐貴
1
1ゆうき内科・スポーツ内科
pp.230-233
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201214
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オーバートレーニング症候群とは
「疲れが抜けない」というアスリートや運動愛好家を見かけたら,オーバートレーニング症候群(overtraining syndrome:OTS)を鑑別に挙げる必要がある。
OTSとは,「過剰なトレーニングが長期間続き,パフォーマンスや運動機能が低下し,疲労が容易に回復しなくなった状態」と定義されている。通常,トレーニングを行うと一定の疲労が生じるが,きちんと休めば回復し,この過程を繰り返すことで競技能力は向上する。しかし「トレーニング負荷」と「回復」のバランスが崩れると,つまり十分に回復しきらないうちに次のトレーニングを行うことを継続すると,疲労が蓄積し,やがて競技能力は低下する。その疲労は数週間で慢性疲労と呼ばれるようになり,さらに疲労の蓄積が長期間にわたるとOTSにつながる(図1)。
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