特集 人と地域をつなぐネットワーク構築の取り組み
経験やスキルを地域に活かす「プロボノ」の可能性と成功のポイント
嵯峨 生馬
1
1認定NPO法人 サービスグラント
pp.100-104
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201052
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はじめに
本格的な超高齢社会の到来に向けて,地域包括ケアシステムの構築が求められている。なかでも,住民が主体となって取り組む「互助」の活動には大きな期待がかかっている。
しかし,地域の中で顔が見える関係が築きやすい農村部と違って,これから急速な高齢化が進むと言われている都市部においては,もともと,地域における人のつながりがそれほど強くなく,地域コミュニティが希薄だと言われている。地域の互助を生み出し,広げていくことは決して容易ではない。
一方で,都市部ならではの強みとして考えられるのが,仕事を通じて様々な経験・スキルを蓄積してきた企業人や専門家の存在だ。こうした経験や専門性をもつ人材を,都市部特有の“地域資源”と捉え,より多様な主体の参画を通じて地域包括ケアシステムを構築していくことが有効だ。
こうした企業人や専門家などの人材と地域とをつなぐキーワードのひとつが「プロボノ」である。
本稿では,プロボノについてその意味するところを簡単に紹介したうえで,地域づくりにおけるプロボノが果たす役割や可能性について考えたい。
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