特集 高齢者ケア従事者のストレス対策
実践報告:ストレスマネジメントをストレングスマネジメントへ—職員各々の強みを伸ばし,自己実現を図る
元田 真一
1
1株式会社シンパクト ケアサポートメロン
pp.652-657
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200464
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はじめに
OTの筆者は起業して7年目となる。開設当初は職員数が7名でのスタートであったが,現在は50名ほどになった。多いか少ないかは読者の価値観で変わるかもしれないが,筆者にとっては「50名にもなってしまった」という表現が適切であるようにも思う。2人3脚でスタートしたのが30人31脚というふうにハードルが上がってしまった。当然,一つの目標(理念)に向かい職員皆で足並みをそろえて結果を出すことは筆者にとって容易ではない。
さて,運営していくことで最も時間を使っているのが「人材育成」である。1年中このことで悩まされていると言っても過言ではない。過去7年間の中では精神的な理由で退職した者も数名いる。もちろん,それぞれの家族背景や環境も否めないが,事実であり現実である。二の舞を演じないようにといろいろ試みてはいるものの,これと言った特効薬はないように感じる。ただし,筆者にとってはこのメンタルヘルス対策はやや後ろ向きの取り組みにあるように思う。
われわれが本来力を入れていかなければならないことは,親愛なる職員皆がいかに自分の強み(ストレングス)を生かし「良い仕事」を行い,それをリスペクトするか,そしてそれにより,いかにして一人ひとりの職員の自己実現を図るか(ストレングスマネジメント)であると切に思っている。つまり,われわれもいかにポジティブにこの課題に取り組むかの姿勢が最も重要であると考える。後にも述べるがこのこと(姿勢)がケアにも生かされ,活気ある文化を作ることにつながっていく。以下に株式会社シンパクト(以下,弊社)での取り組みと課題について整理する。
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