特集 高齢者ケア従事者のストレス対策
介護家族のストレスとソーシャルサポート—認知症家族会の機能を考える
田中 悠美子
1
1文京学院大学人間学部人間福祉学科
pp.658-662
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200465
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はじめに
わが国における認知症高齢者数は,軽度認知障害の高齢者も合わせて約862万人と推計され,65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”であると算定されている(厚生労働省,平成25年6月)。連日のように認知症に関する報道が伝えられ,特に行方不明による死や高齢者虐待,介護疲れによる心中など耳を塞ぎたくなるような出来事も後を絶たない。
厚生労働省は,平成25年に認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン),平成27年には認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を打ち出し,認知症の本人や家族の地域包括ケアに向けた施策を進めている。認知症の本人を支援する医療や相談支援体制の整備のみならず,家族支援に重点が置かれ,家族会や認知症カフェなど地域において人が集う場が各地で取り組まれている。
このような背景を踏まえて,本稿では介護家族,特に認知症の介護家族に絞り,どのような介護ストレスがあるのか,また,ストレス軽減に作用すると考えられるソーシャルサポートの機能および家族会の機能について明らかにし,家族支援について検討をしていく。
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