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はじめに
OTが法の下に誕生(1965年「理学療法士及び作業療法士法」)して50年が経過した。この間,わが国の保健・医療・福祉を取り巻く状況は大きく変化し,医療技術の進歩とともに,世界にも類を見ない超少子高齢社会の中にあり,社会構造を支える仕組みとして地域包括ケアシステムの構築が急がれている。
一般社団法人日本作業療法士協会(以下,当協会)は,2008年地域包括ケア研究会において提言された,2025年の地域包括ケアシステムのあり方に先立ち,2007年に「作業療法5カ年戦略」の策定に着手していた。この中で,2008年から2012年の5カ年に,OTの5割を,身近な地域に配置し,「医療から地域生活に向かうすべてのステージで途切れることなく支援する作業療法の実践」を掲げ,現在も第二次作業療法5カ年戦略において継続して取り組んでいる。これにより,確実に地域生活支援領域に従事するOTが増えている。一方でOTは,具体的に医療から地域生活への継続支援において,どのような役割を果たせるのかを,わかりやすく国民に示し,地域包括ケアシステムに貢献する作業療法を“目に見える形”として表現することが必要であった。その実現に向け,具体的に取り組んできた一つの証が「生活行為向上マネジメント(Management Tool for Daily Life Performance:MTDLP)」である。
「作業療法5カ年戦略」の戦略的な構想から始まり,作業療法をわかりやすく国民に示すための約10年間に及ぶ着実な積み上げによる実践であり,「活動と参加を支援する作業療法」と表現することができる背景としている。
「介護報酬改定を受けて」というテーマに対し,将来を見据えた当協会の方針も踏まえて報告をしたい。
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