リハニュース【Topics】
介護報酬改定(1)
石川 誠
1,2
1日本リハビリテーション医学会
2医療法人輝生会
pp.99-101
発行日 2016年1月18日
Published Date 2016/1/18
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介護保険におけるリハビリテーション
2000年(平成12年)に介護保険が施行されたが,以降はリハビリテーション(以下,リハ)医療は,医療保険に加え介護保険でも提供できるようになった.すなわち,介護保険により,生活期(維持期)リハとして通所リハ,訪問リハ,介護療養病床や介護老人保健施設の入院・入所や短期入所によるリハが明確に位置づけられたのである.
しかし,リハ医療の現場において,介護保険によるリハの健全な普及は遅々としていた.このため2004年(平成16年)1月には「高齢者リハビリテーション研究会」の報告書において,わが国の高齢者リハは,1)急性期リハが不十分,2)長期間にわたる効果のないリハが行われている場合がある,3)医療から介護への不連続な仕組みが機能している,4)リハとケアとの境界が不明確,5)在宅のリハが不十分という5項目が指摘されるところとなった.さらに2006年(平成18年)には,医療保険では,急性期の状態に対応して主として身体機能の早期改善を目指したリハを行い,介護保険では,維持期の状態に対応して主として身体機能の維持および生活機能の維持・向上を目指したリハを行うこととされ,医療保険による急性期・回復期リハと介護保険による生活期(維持期)リハの役割分担と連携を推進するべきとされた.ところで,医療保険の診療報酬改定は2年ごと,介護保険の介護報酬は3年ごとの改定であり,2015年(平成27年)の介護報酬改定は5回目となるが,この15年の間に社会保障に関する大議論があり,当然のことながら,介護報酬改定にも反映することとなった.
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