連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 介護報酬改定
石田 昌宏
pp.295
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101304
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4月から新しくなる介護報酬。訪問看護についても使い勝手がよくなる改定が行なわれる。ようやく見直されたのが訪問看護のターミナルケア加算。単位数の引き上げとともに,死亡前24時間以内の訪問要件が撤廃される。昨年の診療報酬改定で医療保険についてはすでに改定済みのことだったので,それにあわせたわけだ。訪問看護の利用が進んでいる都道府県ほど,自宅で死亡する者の割合が高いというデータがある。訪問看護の利用が増え,「いままで暮らしてきた畳の上で死にたい」という思いが叶う人が増えればいいが。
複数名による訪問看護の評価や,特別管理加算の対象者への1時間30分を超える訪問看護の評価(長時間訪問看護加算)も新たに実現する。これも訪問看護のバリエーションが増えることにつながると思うが,“今までボランティアでやっていたことに点数がつくと,利用者負担が増えるので,かえって利用を敬遠する人が増えるかも”という意見もあった。利用者負担のことを考えると,確かに点数が上がることがかえって利用を抑えるという可能性があるのもわかる。診療報酬にしても介護報酬にしても,点数が増えると評価が上がったような気がして喜ぶのだが,その分利用者の負担が増えていることを忘れてはならない。
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