Book Review
地域リハビリテーション論Ver.6
井口 茂
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
pp.760
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200236
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地域リハビリテーションの目標はノーマライゼーションおよびソーシャルインクルージョンの実現である。その活動は日々の実践の積み重ねにより体系づけられ,その時々の社会背景,制度の中で展開され,本書の地域リハの歴史の中にわが国における地域リハ活動の工夫と努力を読み取ることができる。
本書『地域リハビリテーション論』は,2004年に初版が出版された。この時期は介護保険法施行から4年が経過し,介護保険下におけるリハサービスの実践,回復期リハ病棟の創設,地域リハ支援体制整備事業など医療・福祉・介護の各分野からの地域支援体制の構築が始まった時期である。Ver.6の執筆者は,初版から変わらず,大田仁史先生,浜村明徳先生,下斗米貴子先生,澤 俊二先生の私が尊敬する先生方である。下斗米先生には日本理学療法学術大会にて座長を務めていただき,介護予防事業での高齢者評価に助言をいただいた。澤先生には全国地域リハ研究会にてご指導いただいている。現在,「全国介護・終末期リハ・ケア研究会」を設立され,最期まで人間らしくあるためのリハビリテーション活動を追求しようとされている。浜村先生は長崎の地域リハ活動の基礎を築かれ,PTになって間もない私に地域リハの何たるかを実践を通して教えていただいた。そして大田先生にはいつも笑顔で接していただき,私の地域リハ活動を後押ししていただいているように感じている。4名の先生方と接し,講演などを拝聴すると自分自身の地域リハの方向性や考え方,実践方法が確認できると感じるのは私だけではないと思う。
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