地域リハビリテーションと機能訓練事業
地域リハビリテーションにおける拠点—大東市地域リハビリテーションシステムより
山本 和儀
1
,
山縣 文治
2
Kazuyoshi YAMAMOTO
1
,
Fumiharu YAMAGATA
2
1大東市理学療法課
2大阪市立大学
pp.560-564
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900154
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
◆本稿の視点—従来の拠点論の問題点
「サービス供給における拠点」を論じる場合,一般には,サービス供給の場の種類をもとに,その特性や問題点を論ずることが多いように思われる.たとえば,地域リハビリテーション(以下,地域リハビリ)というサービスを念頭にいうと,サービス供給の拠点には,保健医療色の強いところでは病院や保健所,福祉色の強いところでは特別養護老人ホームや老人福祉センター等があり,個々の特徴は云々という議論の進め方である.いわば,拠点そのものへの関心が強く,全体状況との関係に対する視点が弱いものである.
ところが,近年,各方面においてサービス供給における地域場面の重視の動きがみられる.たとえば,保健医療関係者からは,地域医療,プライマリ・ヘルスケア,さらには地域リハビリとして,また福祉関係者からは,在宅福祉あるいは地域福祉として具体化している.このような流れの中で,サービス供給主体と供給拠点とが,かつてのように単純な関係でなく,一層複雑な形で論じられるようになってきた.サービス供給主体自体の複合的編成も論じられるようになりつつあるし,また,供給システムとして関係する拠点も多様な構成をとるようになってきている.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.