巻頭言
社会の安寧
宮崎 宏興
1
1NPO法人いねいぶる
pp.230-231
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200077
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本来,病気や障害の程度と,社会で暮らす機会(選択)が得られないことは別の問題である。しかしながら,実際には,「障害が重度だから大変だろう」「○○するのが危険だろう」など,(本人ではなく)周囲の「見えない不安」が障害者(以下,当事者)の願いと機会を制限してしまうことも少なくない。また,場合によっては「家族が介護できないから」と,家族の介護力を前提とした支援のあり方が理由になるのも課題である。
これらの前提には,そもそも当事者が暮らしていくための必要な制度や支援(人材含む)の脆弱さがあるとともに,同じ社会に暮らす市民にとっても,当事者へ「どう配慮すればいいのかわからない」「理由がわからないから怖い」「直接出会ったことがない」などという,「目にしない(知らない)不安」が障壁となっている。
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