増刊号特集 2 若手研究者が描く未来
「高齢者とその家族の在宅生活の安寧をいかに支援できるか」という問いを追い求めて
丸尾 智実
1
1甲南女子大学看護リハビリテーション学部
pp.361-364
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201403
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
認知症高齢者とその家族をどう支援するか
私の(おそらく)生涯にわたる研究の大きな「問い」は,「高齢者とその家族の在宅生活の安寧をいかに支援できるか」である。この問いは,1本のレールのように,常に自分の根底に敷かれている。悩んだり,くじけて脱線しそうになったときには,再びこのレールに戻るようにしている。
その中でも,現在「問い」としているのは,「認知症高齢者とその家族の支援」である。この問いをもとに,修士論文,博士論文の研究を継続して行なってきた。修士論文では,地域に住む多くの人々に認知症と,認知症高齢者とその家族のことを知ってもらいたいと,地域で認知症高齢者を支え合うことを目的とした認知症の理解推進プログラムを作成して実施・評価をしてきた。このプログラムの参加者から,「私たちは支援したいと思っているけれど家族が心を閉ざしている」という声を聞いた。それがきっかけとなり,博士論文で本格的に家族支援をメインとした研究を行なうことにした。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.