Japanese
English
特集 生きる声からわれわれが得るもの—精神障害者も共に創造する共生社会の実現
共生社会という原風景
Original scenery of a symbiotic society
宮崎 宏興
1,2
Hirooki Miyazaki
1,2
1NPO法人いねいぶる
2T-SIP(Tatsuno-social inclusion project)
2T-SIP(Tatsuno-social inclusion project)
pp.598-603
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201333
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Key Questions
Q1:つながりを再構築するとは?
Q2:地域の課題を融合するとは?
Q3:共に生きる社会づくりとは?
なぜ今「地域共生社会」なのか
歴史的にみると,かつてわが国では,地域の相互扶助や家族同士の助け合いにより,人々の暮らしが支えられてきた.農耕民族意識が根づき,一定した住所をもち,集団意識をもち,忍耐や思いやり等で連帯を重んじる「和の文化」でもあった.そのため,日常生活における不安や悩みを相談できる相手や,世帯の状況の変化を周囲が気づき支えるという人間関係が身近にあり,子育てや介護等で支援が必要な場合も,地域や家族が主にそれを担っていた.
戦後,高度成長期を経て今日に至るまで,工業化に伴う人々の都市部への住所移動,個人主義化や核家族化,ディベート,共働き世帯の増加等,話すことで理解し合う「対話の文化」へと社会の変化が起こる中で,地域や家庭が果たしてきた役割の一部を代替する必要性が高まってきた.これに応えるかたちで,保健,福祉,医療,労働,教育,インフラ等,人がまちで生きていくうえで,必要となる典型的な要因を想定し,いわゆる「縦割り」な公的支援制度が整備され,質量ともに公的支援の充実が図られてきた.
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