特集 動く細胞・群れる細胞:発生・免疫・がんにおける「個」から「集団」レベルの細胞動態を追う
【第3部】ふぞろいさと秩序 神経前駆細胞の空間的安寧を支えるヘテロ物流
岡本 麻友美
1
,
篠田 友靖
,
宮田 卓樹
1名古屋大学 大学院医学系研究科細胞生物学分野
キーワード:
細胞核
,
細胞周期
,
細胞計数
,
ニューロン
,
脳室
,
神経突起
,
神経幹細胞
,
神経発生
,
細胞形
,
Contactin 2
,
原基
Keyword:
Cerebral Ventricles
,
Cell Count
,
Cell Cycle
,
Cell Nucleus
,
Neurons
,
Neurites
,
Cell Shape
,
Neurogenesis
,
Neural Stem Cells
,
Contactin 2
pp.645-649
発行日 2014年5月22日
Published Date 2014/5/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
神経前駆細胞は細胞周期依存的に核移動(INM)する.basal 方向へのINMのうち,特に最初の局面は,脳原基のapical 面で誕生した娘細胞ペアの核を狭い通路へ送り込むことが求められる“ボトルネック”型の難所であるが,basal 側に伸びた親細胞の形態が片方の娘細胞に相続されることによって“時差出勤”的なINMの初動の違いがもたらされる.この“ヘテロ物流”によってapical 面近傍での過剰混雑が防がれ,安定的なINM,ひいては正常な脳組織形成が果たされる.
Copyright © 2014, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.