特集 生活行為向上マネジメント活用の効果と実用性
生活行為向上マネジメントの概要と適用範囲
石川 隆志
1
1秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻作業療法学講座
pp.158-165
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200054
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はじめに
「生活行為向上マネジメント(Management tool for daily life performance:MTDLP)」は,平成20(2008)年度以降,一般社団法人日本作業療法士協会(以下,OT協会)が取り組んできた厚生労働省老人保健健康増進等事業による研究事業で生み出された言葉であり,作業療法を国民にわかりやすく示す「作業療法の見える化」のツール1)として開発された。
MTDLPは,作業療法の対象である患者または利用者(対象者)と支援目標を共有し,対象者が自分の回復に積極的に関与できるよう工夫されている。さらに,MTDLPでは,次にあげる視点2)を重視している。
① 人を心身機能の側面から理解するのみでなく,生きる営みである「生活をする人」として包括的に捉える視点。
② 入院前の生活から退院後の生活まで,一貫した対象者の生活を理解し支援するという包括的アプローチの視点。
③ 作業の継続性という個人の活動から,地域の社会資源の活用までを幅広く捉える包括の視点。
本論では,MTDLPと作業療法の業務との関連,生活行為向上マネジメントの概要と適用範囲について紹介する。
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