特集 在宅での栄養管理に関する知識を得よう!
個々の患者に合わせた多職種連携のテーラーメイドの栄養管理—がん患者の経口摂取を無理なく継続するための取り組み
望月 宏美
1
,
中濱 孝志
1
,
峯 真司
2
,
比企 直樹
1,2
1公益財団法人がん研究会がん研有明病院 栄養管理部
2公益財団法人がん研究会がん研有明病院 消化器外科
pp.36-40
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200010
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はじめに
がん患者ではさまざまな代謝変動が生じ,骨格筋の減少,体重減少が進行する。低栄養状態は治療継続の妨げになり,予後の悪化につながる可能性がある。がんと診断された早期から適切な栄養アセスメントと積極的な栄養介入を行い,体重を維持していくことはがん治療において重要な治療戦略の1つである。しかし,治療中は消化器がんの術後の後遺症や化学療法,放射線療法の有害事象により経口摂取量が低下することが多くなる。また,摂取量が低下すると,低栄養が進行するだけではなく,食事がとれないことで精神的に落ち込み,QOLの低下を招くことも少なくない。そのため,がんの栄養管理は病態を理解し,できる限り経口摂取を継続できるよう多職種共同で患者をサポートすることが重要である。本稿では,がん患者の体重減少の理由,必要栄養量,症状に沿った食事のアドバイス,経口摂取継続のアプローチについてがん研有明病院(以下,当院)の取り組みを含めて概説する。
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