文献の紹介と考察
患者個々に応じた看護
伊津 フサ子
1
,
植山 むね子
2
,
鈴木 久子
3
1日本赤十字医療センター
2順天堂医院消化器内科
3順天堂医院小児科
pp.558-562
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917016
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患者に対し看護婦のとる2つの態度
私が看護学生の時,恐れと痛みをもっている患者に対し2つの違った対応の仕方をみました.1つは,看護学生で,とても能率的に忙しく働くことによって患者と学生の間に壁を作り,言葉の触れ合いをそれと置きかえていました.彼女は分類とレッテルを使うことには,慣れていましたが,実際患者にほんのわずかの時間も注意を払おうとはせず,不安とか型通りの看護について知ったかぶりに話しました.いつも彼女のレポートはAでした.
それに比較して,ある看護婦は,患者が1人で慣れない暗い室で苦しんでいても,だれかが自分と一緒にいてくれるので恐ろしくないという気分にさせるような看護をしました.看護に重要なことは,肉体の病いと精神の病いをいやすことであると彼女は理解しています.
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