症例ライブラリー 多職種チームで術前状態を最適化せよ
経口摂取の減少を認めた食道癌患者
伊藤 明美
1
,
小倉 実希
1
Akemi ITO
1
,
Miki OGURA
1
1藤田医科大学病院 食養部
キーワード:
管理栄養士
,
栄養スクリーニング・アセスメント
,
栄養指導
,
早期栄養介入
,
経口栄養補助食
,
ONS
,
レジスタンス運動
Keyword:
管理栄養士
,
栄養スクリーニング・アセスメント
,
栄養指導
,
早期栄養介入
,
経口栄養補助食
,
ONS
,
レジスタンス運動
pp.862-867
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320090862
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■症例
63歳の男性。1か月ほど前から嚥下時の違和感とつかえ,前胸部締め付け感により食事がとれないとの訴えあり。半年前の体重は50kgだった。前医で胸部食道癌と診断され当院を受診し,精査の結果,食道癌(Lt Type2,cT3N2M0,cStageⅢ)と診断された。
既往歴に特記すべき事項なし。喫煙歴は40本/日×45年で,1週間前から禁煙している。飲酒は1週間前まで毎日,焼酎2合,ビール350mLであった。妻と二人暮らしで,調理者は主に妻である。治療方針は術前化学療法後,ロボット支援下食道亜全摘術予定。初回受診後の造影CTで,胸部食道から噴門にかけての高度な腫瘍性狭窄を認めた。通常食が摂取困難であり,少量の流動物しか摂取できていないとのことから,主治医の判断で胃瘻造設となった。
術前化学療法として,ドセタキセル,シスプラチン,フルオロウラシルの3剤併用療法(DCF療法)3コースが計画された。手術の82日前に入院し,DCF療法(100%dose)1コース目を開始した。入院後48時間以内に管理栄養士が訪床し,栄養管理計画を作成した。

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