実践報告
循環型地域連携による経口摂取フォローの取り組み
岡野 雄二
1,2
1清仁会水無瀬病院リハビリテーション部言語聴覚科
2広島国際大学医療福祉科学研究科医療工学専攻
pp.308-311
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201420
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Ⅰ はじめに
近年、「治す医療」から「治し・支える医療」への変換が期待され、特に在宅医療が大きく注目されている1。しかし現状では、在宅や施設入居の摂食・嚥下障害者に対して適切な検査や訓練を行うフォローアップ体制が整っていないため、実際の嚥下機能を患者自身や家族のみならず周囲の医療従事者も把握しないまま放置される現状2が報告されている。その問題を解決していくためにも、専門職による適切な嚥下機能評価の促進が求められている。
そこで、水無瀬病院(以下、当院)では循環型地域連携を行った。循環型地域連携とは当院独自のシステムで、病院リハビリは院内生活のみ、訪問リハビリは在宅生活のみと細切れになってしまわないように継続した評価や訓練を提供できる体制を指す。症例に問題が生じた際には、リハビリスタッフと訪問看護事業所・病院主治医との速やかに連携し対応する。
今回、院内セラピストが訪問にも伺う「院内/訪問兼務体制」により、進行性核上性麻痺の診断から7年経過し、完全経管栄養に移行してから1年経過していた症例の、一部経口摂取再開とフォローを行ったので報告する。
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