NAの画像診断—特にMR neurographyによる鑑別診断

Evaluation of Neuralgic Amyotrophy and Other Brachial Plexus Disorders with MR Neurography

はじめに

　Neuralgic amyotrophy（NA）は，急性の上肢の疼痛発作に続いて弛緩性麻痺と筋萎縮を呈する症候群である．感染やワクチン接種が先行することがあり，腕神経叢の免疫異常を介した障害の機序が考えられている^9）．近年，3 tesla MR neurography（3T-MRN）はさまざまな末梢神経疾患の評価に臨床応用が試みられており，NAにおいても報告例が増加しつつある^4,6）．3T-MRNは腕神経叢の詳細な描出が可能であり，NA病変の同定およびさまざまな鑑別診断の評価にも有用である．中でも鑑別上重要となるのは，頸椎症性神経根症（cervical radiculopathy：CR）であり，われわれはCR患者において腕神経叢異常を高率に認めることを報告した^12）．本稿では，典型的なNAのMRN所見，そしてCRをはじめとする他疾患との鑑別について述べる．