Japanese
English
特集 頸椎神経根症再考
頸椎神経根症の神経学的診断
Neurologic Diagnosis in Cervical Radiculopathy
亀山 隆
1
Takashi KAMEYAMA
1
1中部ろうさい病院脳神経内科
1Department of Neurology, Chubu Rosai Hospital
キーワード:
頸椎神経根症
,
cervical radiculopathy
,
症候学
,
symptomatology
,
筋節
,
myotome
Keyword:
頸椎神経根症
,
cervical radiculopathy
,
症候学
,
symptomatology
,
筋節
,
myotome
pp.949-956
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202442
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はじめに
頸椎神経根症は日常診療では頻度の多い疾患であるが,MRIによる画像診断は脊髄症とは異なり,しばしば困難である.大きな椎間板ヘルニアによるものは診断が容易であるが,骨棘の描出はMRIでは不十分で,通常の椎体・椎間レベルのルーチンのスライスでの横断像のみでは,病変を検出できないことも少なくない.また,画像上の無症候性の脊髄圧迫を責任病巣と誤診する場合も見受けられる.したがって,頸椎神経根症を,その責任レベルを含めて適切に診断するためには,病歴と神経学的診断が最も重要となる.頸椎神経根症の症候学については,この分野の第一人者である田中靖久先生が,これまで再三にわたって述べられている27,28).また,レベル診断に重要な筋節(ミオトーム)について,園生らのグループによる詳細な臨床評価と筋電図学的検討1)から,従来の筋節表に修正がなされ20,21),筆者もその信頼性を実感している.本稿もそれらの点を踏まえて,脳神経内科医である筆者自身の経験からの私見を加えて,頸椎神経根症の神経学的診断のポイントについて論ずる.
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